「1円」「投げ売り」iPhone・スマホ、公正取引委員会が調査結果を発表
2023年2月24日(金)に、「1円」「投げ売り」iPhone・スマホについて、公正取引委員会が調査結果を発表しました。
極端な廉価販売が行われた割合は14.9%だったとのこと。
公正取引委員会は、今後、MNOと販売代理店の取引を対象とした独占禁止法上の問題について監視を強化するとともに、独占禁止法違反行為が認められた場合には、厳正に対処するとしています。
「1円」「投げ売り」iPhone・スマホ、公正取引委員会が調査結果を発表
廉価販売は、14.9%
調査期間は2022年1月1日から6月30日までで、調査はドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルのMNO4社や、販売代理店、中古端末取扱事業者、MVNOに対して行ったということです。
調査対象の40機種のうち、極端な廉価販売が行われた割合は14.9%だったとのこと。
特にMNPで転入するユーザーに対して極端な廉価販売を行う割合が33.6%と高く、OS別ではAndroidが19.9%で、iPhoneの11.9%よりも高かったそうです。
MNOのうち3社は、赤字を通信料収入で補填
MNOと販売代理店の取引において、調査対象だった40機種のうち、収支が赤字だった機種はiPhoneが10~13機種、Androidが8~15機種あったとのこと。
MNOのうち3社は、スマートフォンの販売で生じた赤字を通信料収入で補填(ほてん)していることが分かったそうです。
「供給に要する費用を著しく下回る対価」にならないように
公正取引委員会は、MNOと販売代理店に対しては、スマートフォンの販売価格について「供給に要する費用を著しく下回る対価」にならないようにすることが望ましいとしています。
このような販売方法は、不当廉売に当たるということのようです。
「不当廉売」は「ダンピング」とも呼ばれ、不当に低い価格で商品やサービスを提供する行為のことで、独占禁止法によって規制されている行為です。
正当な理由がないにも関わらず、商品やサービスをその供給に必要な費用を著しく下回る対価で継続して供給、販売し、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあるものということで、禁止されているということですね。
販売代理店が極端な廉価販売を行った背景
販売代理店が極端な廉価販売を行った背景については、「MNOから指示があった」「MNPの乗り換え達成するため」といった回答が多かったとのこと。
MNPのノルマが通常の営業活動では達成できない水準だったため、スマートフォンの極端な値引きをせざるを得ない状況だったと述べた代理店もあったということです。
違反が認められた場合は厳正に対処する
公正取引委員会は、今後、MNOと販売代理店に対して独占禁止法上の問題について監視を強化するとともに、違反が認められた場合は厳正に対処するとしています。
「1円」「投げ売り」iPhone、スマホは、今後、なくなっていきそう
こうなってくると、家電量販店などで行われている「1円」「投げ売り」iPhone、スマホは、今後、なくなっていきそうですよね。
あとは、どのタイミングでなくなるのかというところでしょうか。
3月からいきなりなくなるのか、それとも、夏以降なのか。
有識者会議が夏以降に報告書を出すとしていますが、それまでは続くのか。
いずれにしても、「1円」「投げ売り」iPhone、スマホがなくなる日は近いように思われます。